「あなたから商品を購入する前に関税がどれくらいかかるのか知りたい!」
という質問をバイヤーからもらったことはありませんか?
あなたの国の税関に連絡して確認してください!と言うのは簡単なことです。
でも、バイヤーにとっては購入するかどうかを判断する決め手が「関税の有無」であることも覚えておく必要があります。
しかし、実際のところ、セラーはすべての国の関税率を把握することは困難です。
でも、諦めるのはまだ早いですよ!
なぜなら関税を調べることができるツールがあるからです。
今回は実際にこちらで関税を調べて丁寧に対応する方法をご紹介させていただきます!今後のためにぜひ参考にしてくださいね。
目次
関税って一体何だろう?
インターネット上で検索しても各国の関税の課税額のまとめなどの情報はありませんよね。
ところで、関税とは何でしょうか?
関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税金」として定義されています※1。
※1. 「税関(Japan custom)ウェブサイト:関税のしくみ」より引用
輸出・輸入に関係してくるのが関税ですね。
関税の支払い義務はバイヤーにありますが、それをきちんと理解している人は少ないため、関税の支払いに関わる問題はeBayビジネスでよくあるトラブルのひとつです。
関税がかかるケースと対処方法
海外販売においてセラー側が心得ておかなければならないのは、税関(通関)手続きについてです。海外へ商品を輸出する方法としては主に「郵便を利用する」「宅配便を利用する」この2つがありますが、それぞれ手続きの方法が異なります。今回は郵便で発送する場合の手続き方法をご紹介いたします。
1. 郵便で発送する場合
- 20万円以下・・・税関への輸出申告は不要
EMSや航空便などの場合は、郵便局等に備えている「税関票符」(グリーンラベル)又は「税関告知書」に必要事項を記入して郵便物に添付し、郵便局等に郵便物を差し出して下さい。
(なお、一部の郵便局等では、国際郵便物を取り扱っていないのでご注意ください。)
受け付けられた郵便物は税関検査が行われた後、外国に向けて送り出されます。
- 20万円以上・・・税関への輸出申告が必要
郵便局等に郵便物を差し出す際に、郵便局等の窓口で通関手続の案内を受けて下さい。AかBを選択のうえ、郵便局等の窓口で申し出る必要があります。A:通関手続の案内を受ける際に、郵便事業株式会社や他の通関事業者に通関手続を委任する。
B:郵便物の通関手続が行われる地域を管轄する税関外郵出張所等に差出人(セラー)が自分で通関手続を行う。Aの場合・・・
税関への申告の際に必要となる書類を通関業者等に確認したうえで、これらの書類を通関業者等に提出してください。税関での審査・検査が終了されると輸出が許可されます。郵便物は海外に向けて発送され、通関業者等から輸出許可書が差出人に送付されます。Bの場合・・・
仕入書等の書類を税関に提出する必要がありますので、あらかじめ用意しておいてください。税関での審査・検査が終了されると輸出が許可されます。輸出許可書が交付されますので、郵便物が保管されている郵便事業株式会社通関支店等に許可書を提示して、搬出の指示を行ってください。その後、郵便物は海外に向けて発送されます。
※料金後納を利用した国際郵便について
郵送量の多い法人の販売企業(セラー)などの場合、毎回上記の窓口手続きを行うことが負担になる場合があります。その際には利用した料金を一括でまとめて支払える料金後納制度が便利です。
国際小包を月10個以上、EMS(国際スピード郵便)なら月に4個以上ご利用の場合に料金後納制度が利用可能です。利用するためには事前に郵便局へ申請を出す必要がありますが、国際小包を1度に10個以上発送かつ料金後納を利用される方を対象とした割引制度もあるので、法人の方はぜひご検討ください。
関税などの詳細は、日本郵便ウェブサイト「料金後納」ページをご覧ください。
関税は国によっても異なることに加え、同じ国でも変更が加えられることがあります。
関税は常に変化するものであることを踏まえ、定期的に販売品の関税(税金)を確認することが海外販売では重要になることを覚えておきましょう。
事前に関税を調べる方法はあるの?
セラーだけではなくバイヤーも自分が購入した商品にどれくらいの関税がかかるのか事前に知りたいと思うのが本心ですよね!
バイヤーから、
「どのくらいの関税が請求されるか知りたいからHSコードを教えてください!」
「この商品を私の国に送ったらどのくらいの関税がかかりますか?」
といった質問を受けることがあると思います。
多くのセラーは自国の税関に問い合わせてね、という返答をしていると思いますが、税関に電話してもいいですし、税関サイトで確認してもいいのですが、とにかく専門用語などがあり情報がやたら多すぎて頭が痛くなりますよね。
しかし、今回ご紹介するサイトはサイトはHSコードや関税を瞬時に調べることができますよ!
その便利なツールは
というものです。
Duty Calculatorの使い方はとても簡単!
Duty Calculatorは、
1. 商品の関税率を調べる
2. HSコードを調べる
3. 大きいカテゴリーの関税率を調べる
これらの使い道がありますが、やはり1.の「商品の関税率」を調べる時が他に比べて多くなると思います。
早速上記リンクをクリックして関税を確認してみましょう!
あなたがバイヤーの場合:
まず最初にImporting fromのところに仕入れ先の国を選択します。
あなたがイギリスから仕入れるのであればここをUnited Kingdomを選択します。そしてImporting toのところにJapanを入れます。
あなたがセラーの場合:
Importing fromにJapanと入力し、Importing toに発送先のバイヤーの国を選択します。今回はUnited Kingdomを選択しています。
つぎの商品のカテゴリー、サブカテゴリーで最も合うものをプルダウンで選択します。
Product Valueのところに商品金額(申告金額)を入力します。
最後に送料と保証金額を入力してCalculate Import Duty & Taxesをクリックすると関税が算出されます。
*入力した金額はあくまでもサンプルであり実際の商品とは関係ありません。
これまでは3回まで無料で調べることができたのですが、残念ながら今現在は1回までしか無料で調べられません。
パソコンを変えてみれば複数回無料で調べることはできますが少し面倒ですよね。月額会員になるまでこのツールを利用する予定がない場合は、25回分の検索クレジットを購入することもできますのであなたのニーズに合ったサービスを利用してくださいね。
顧客から聞かれた時や、新規分野の商品カテゴリーに参入する際の関税リサーチのために非常に役立つツールのひとつです!
「Duty and Tax Estimate = 関税額の見積もり」
見積もりはあくまでも見積もりです。
つまり表示金額が必ずしも正確であるというわけではありませんので、バイヤーに伝える際は、
「こちら側で調べたところ関税は$OOくらいかかるという情報があったけれど、あなたの国の税関にも一応聞いておいた方がいいですよ」
と絶対に大丈夫というニュアンスは避けましょう!
特にこちらで調べた時は関税が$0だったのに、バイヤーの元に実際に商品が届いた時に課税されたら・・・と想像しただけでもゾッとしますね!
一般的にアメリカへ輸出する際、個人(ギフト扱い)で発送した荷物が100USD以下、お隣カナダは60CAD以下であれば関税請求の対象にはならないようです。
いろいろな国のバイヤーと取引を重ねていくと、これまでの経験から「この申告内容ならこれくらいの関税がかかるかも」などと推測することが可能になります。
バイヤーから関税に関するメッセージが届いた際、対処して終わりにするのではなく、自分の経験のひとつとして、また、今後のためにも関税に関係する情報をまとめておくことをオススメいたします!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
セラーとして、関税がからむトラブルは何としてでも回避したい問題だと思います。eBayルールにも関税の支払いはバイヤーの責任!と書いてあるのにも関わらず、クレームや関税の支払いを請求してくるバイヤーはいます。
きちんと機能している税関であれば問題はありませんが、適当な仕事をしている税関にあたるとトラブルになる可能性は高くなります。
また、バイヤーから関税目的のために、「ギフト扱い、低い金額で申告して!」というリクエストがあると思いますが、これをしたことによって絶対に関税を回避できるかどうかはその時になるまでセラーもバイヤーもわかりません。
「このように申告すれば絶対に関税はかかりませんよ」と安易な気持ちでバイヤーと約束をしないことは、eBayビジネスを成功させるためにとても重要であることも覚えておくとよいでしょう!