あっという間に2017年が終わり、もう2018年です!
皆様にとって2017年はどのような一年でしたでしょうか?2017年も2016年に引き続き民泊業界は様々な話題やニュースで盛り上がりましたね。
2018年6月からはついに民泊新法も施行されるため、民泊を取り巻く環境は大きく変わることが予想されます。
2018年大きく変わろうとしている民泊業界。
今回は2017年に民泊業界で起きた5つの大きな話題を振り返り、2018年以降に民泊にどのような変化が起きるのか、その最新動向をまとめてみましたのでぜひ参考にしてください。
目次
2017年民泊業界「5大ニュース」!
2017年の民泊関連ニュースの中で最もインパクトが大きかったニュースを5つ厳選し、それらについてまとめてみました!
2016年の訪日客2403万人!
4年連続で過去最高、初2千万人突破!
まず2017年に起きた1つ目の大きなニュースといえば、2016年の訪日外国人観光客が4年連続過去最高となり、史上初めて2000万人を超え、2403万人まで伸びた、ということですね。
正確に言えば「2016年の訪日外国人観光客」ですが。
その後、お花見シーズンとなる2017年4月には単月で初めて250万人を超え、日本政府観光局のデータによりますと、2017年は10月時点で約2370万人となっており、みずほ総研は最新の推計で2017年全体としては最終的に2,800万人まで伸びると予測を出していました。
日本政府は
「2020年までに訪日外国人数4,000万人」
という目標を掲げていますが、今年は昨年よりも400万人近く数字を伸ばしており、同様のペースで2020年まで成長が続けば4,000万人という目標は到達できる状況となっています。
民泊市場の今後を占ううえでもこの訪日外国人数は最も重要な指標の一つです。2018年もさらなる増加に期待したいところですね!
住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立!
2017年最大のビッグニュースと言えば、やはり住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立したことではないでしょうか。
新法は2017年3月に閣議決定され、6月に衆院本会議で可決されました。
新法のポイントは、何といっても年間営業日数の上限が「180日間」と定められた点です。
これにより、新法下においては年間を通じた民泊の営業は難しくなったため、「新法+マンスリー」といったハイブリッド型の運用に対する注目も集まりました。
また、大手企業などは新法ではなく旅館業法簡易宿所営業のスキームを活用した宿泊施設の建設や運用を続々と進めており、従来のホテルとは異なりキッチンもついた民泊スタイルのホテルや、IoTを活用した無人ホステルなど、新しいタイプの宿泊施設を手がける動きが加速しています。
そして、2017年の10月には「住宅宿泊事業法の施行期日を定める政令」と「住宅宿泊事業法施行令」も閣議決定され、新法は2018年6月15日に施行されることが決まりました。
現在はこの施行令に基づき、各自治体が新法に上乗せした独自の条例を定める動きが進んでいます。
楽天とLIFULL、民泊事業に参入
民泊新法の成立を受けてさっそく民泊市場への参入を公表して話題を呼んだのが、インターネットサービス大手の楽天と不動産サービス大手のLIFULLです!
両社は、共同出資により楽天LIFULL STAY株式会社を設立し、民泊事業を始めることを発表しました。約9,000万人の会員を抱える楽天と、800万件以上の物件を掲載する不動産情報サイトを運営し、全国22,000以上の不動産加盟店ネットワークを持つLIFULLとの強力なタッグとなります。
楽天LIFULL STAYは既に民泊仲介サイト「Vacation Stay(仮称)」の開設を公表しており、エクスペディアグループのバケーションレンタルサイト大手HomeAway、中国系民泊仲介サイト大手の途家(Tujia)、台湾系民泊仲介サイトのAsiaYo、そして12月には世界最大のオンライン旅行予約サイトであるBooking.comとの提携も公表しており、着々と事業の準備を進めています。
2018年はこの楽天LIFULL STAYが国内の民泊市場をどのようにリードしていくのか、目が離せませんね!
みずほ銀行とAirbnbが提携
7月には民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbがみずほ銀行と提携するというニュースが大きな話題を呼びましたね!
新法が制定されるまで金融機関は民泊市場に対してかなり慎重な姿勢を見せており、民泊関連事業に対する融資なども制限されていましたが、その動きが大きく変わることを予感させる出来事となりました。
民泊市場が大きく発展するためにはマネーの供給が不可欠であり、その意味ではみずほ銀行の発表は民泊業界全体にとっても大きな一歩となったのではないでしょうか。
また、地方銀行の動きとしては2017年10月に秋田銀行が決済サービスを運営するコイニーと提携し、秋田県大館市における農家民泊のキャッシュレス化を進めると発表したほか、11月にはエボラブルアジア社が横浜銀行、四国銀行、京葉銀行の地銀三行と提携し、法人顧客に向けたAirbnb掲載紹介をスタートすると発表していましたね。
今後はメガバンクだけではなくこれら地方銀行が地方創生の起爆剤として地域の民泊ビジネスを盛り上げていく動きも活発化していきそうな予感がします。
大田区「特区民泊」の最低宿泊日数6泊7日を2泊3日へ
全国に先駆けて特区民泊を始めていた東京都大田区は2017年の10月、特区民泊の最低宿泊日数を6泊7日から「2泊3日」へと短縮すると公表しました。
この条例改正案は12月8日に新法への上乗せ条例案と同じタイミングで大田区議会にて可決されており、今年3月15日から施行予定となっています。
特区民泊をめぐっては既に大阪市などが2泊3日の運用を進めており、既に大阪市内の特区民泊件数は大田区の約6倍となる287件(12月14日時点)まで増加しているそうです。大田区でも最低宿泊日数が2泊3日へと緩和されれば特区民泊の収益性は大幅に向上するため、さらに特区民泊件数が増えることが予想されますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これら5つのニュースの他にも、現在東京や大阪、京都、福岡といった都市部では訪日客をメインターゲットとする新規ホテルの建設が続々と進んでいますが、このままだと客室供給過剰に陥る可能性もあることや、無許可営業者に課す罰金額の上限が現行の3万円から100万円へと引き上げられます。
また、立ち入り検査の対象も無許可営業者へと拡大され、立入検査の拒否や虚偽の報告、宿泊者名簿の不備などの旅館業法違反があった場合に対する罰金額の上限も現行の2万円から50万円に引き上げられる内容の旅館業法の一部を改正する法律案が可決するなど、民泊業界にとってポジティブではないニュースもありました。
ホテル客室数の需給バランス、ヤミ民泊の撲滅対策など、2018年も注目していきたいトピックはまだまだありますので、今年もいろいろな視点から民泊に関する情報を配信していきたいと思います。