海外輸出をしているとセラーがコントロールできないトラブルが起きますよね!
その中でも一番厄介なのが、現地の税関や発送業者によって壊された商品がバイヤーに届けられた時です。
通関時に開けた荷物を税関職員がきちんと元通りに梱包してくれたらこのような問題は起きませんが、海外には雑な扱いをする税関職員が多いようです。
また、郵便サービスも税関職員と同じように乱暴な扱いをする職員もいるため商品が壊れた状態で届く場合もあります。
発送した時には破損はなかったのに〜!とセラーは思わずにはいられませんよね。
今回はバイヤーから「壊れた商品が届いたよ!」というメッセージをもらった時のスムーズな解決方法を2つご紹介させていただきたいと思いますので、ぜひ今後の参考にしてください!
目次
返金要求があってもすぐに返金しないケース
バイヤーから壊れた商品が届いたよ、返金して!というメッセージをもらうと、返金しなくてはならない、と思われがちですが「返金」は最後のオプションとして残しておきましょう。
まずはバイヤーと交渉することをおすすめいたします!
バイヤーからのメッセージサンプル:
Hi, I receive this item broken. It’s useless.
I would like a refund. Thank you.
(和訳)
届いた商品が壊れていたので使い物になりません。
返金を要求します。よろしく
バイヤーは「返金」を要求しているのがわかります。
ここで考えなくてはならないことは、バイヤーが本当のことを言っているのかどうか、そして商品価格、あなたが支払った送料、返品となった際の返送料がいくらになるのかを計算してみてください。
例えば、
商品価格は$70。
送料は$20。
全額返金となると$90プラス返送料がかかるため完全に赤字となりますよね。
そんな時はバイヤーに礼儀正しいメッセージを送りましょう。
多くの日本人はこの時「I am sorry~」などというメッセージを送りがちですが、これは逆効果になりますのでやめましょう!
サンプル返答例:
Thank you for letting me know that you’ve received your item damaged.
Please send me a picture of the broken parts so I can confirm the current condition
and claim for insurance.
You’ve mentioned about a refund, but please understand that you would need to follow
the procedure of eBay policy for refund.
Thank you for your time and I hope to hear from you soon.
(意訳)
保険の請求をするので壊れた部分の写真送って下さい。
返金を希望するならebayのルールに従ってお願いしますね。
このようなメッセージを送られたら「このセラー面倒くさいからや〜めよ!」とほとんどのバイヤーは返金を断念するでしょう。
なぜなら、多くの外国人は「言ったもん勝ち」精神を持っているからです。
壊れてもいないのに壊れて届いたと言ってみたり、自分で壊したのに届いた時から壊れていたよ!などの嘘をつき、商品だけではなく自分が支払ったお金までも取り戻そう!と思っているバイヤーも中にはいるのです。とても残念なことですが多くのセラーがこのようなバイヤーに遭遇し被害を受けています。
日本人セラーの足元を見るような行為は断じて許してはなりませんので、壊れている証拠を必ず提出してもらいましょう!
また、国際発送で送った商品が壊れて届いたという場合の保険請求はとても面倒くさいですよね。そこを上手に使ってバイヤーとマインドゲームを楽しむのも良い場合があります。
全てのバイヤーが誠実で真面目であるわけではないことを覚えておいてくださいね。
一部返金で商品をそのままキープしてもらうケース
商品の破損状態にもよりますが、一般常識を持ち備えているバイヤーはそれが最初から壊れていたのか、それとも発送中に破損してしまったのか判断することができます。
また、商品が壊れた状態で届いた時のプロセスをすでに把握しているバイヤーは、証拠として破損した部分の写真をメッセージに添付してくれますよ。
壊れた部分の写真も添付されたメッセージをバイヤーからもらったら、写真で商品の破損を確認してください。そして、一部返金で商品をそのままキープできるかどうか、バイヤーに質問してみましょう!
バイヤーサンプル英文:
The item arrived broken but I really love this item.
What can you do about this situation?
I hope to hear from you soon.
(和訳)
壊れた商品が届いたけれど、この商品をとても気に入っています。
この状況に関してあなたは何ができますか?返信よろしく
このようなメッセージをもらったら返品・返金ではなく、一部返金で商品をそのまま維持してもらえるかどうか、バイヤーに質問しましょう!
返信例:
This is my first time to hear about the item arrived damaged from my customers.
I’ve checked how to deal with the damage case and here is the solution I would like to offer you now and have your opinion.
I am willing to issue a partial refund ($XX) to you if you could fix the damaged part yourself so you can keep the item as is.
Please let me know how you would like to proceed this matter. Thank you.
(和訳)
壊れた商品が届いたという連絡をバイヤーからもらったのは今回が初めてです。
ダメージケースの対応方法を確認しました。こちらが私があなたにオファーしたいと思っている解決策です。あなたのご意見をお聞かせください。
あなた自身で壊れた部分を修理することができたら($XX)の一部返金をします。
この問題をどのように進めたいか教えてください。
もしあなたがバイヤーに一部返金の金額を提示してもらいたい場合は、
I am willing to issue a partial refund ($XX) to you if you could fix the damaged part yourself so you can keep the item as is.
の箇所を、
I am willing to issue a partial refund to you if you could fix the damaged part yourself, so please kindly tell me how much money you would like to get refunded.
に置き換えてくださいね。
全額返金となれば、バイヤーに
商品を返品してもらい、商品状態を確認してから返金をすることになるのですが、商品に保険をつけていた場合は、郵便局へ損害賠償の請求もする必要があります。この損害賠償の手続きがかなり厄介なプロセスなので、できるだけ回避したいですよね。
ですので、最初から全額返金・返品を促すのではなく、一部返金をバイヤーに提案してみましょう!
損害賠償の請求とは?
郵便物の損傷について郵便局に損害賠償を請求する場合は、請求方法が発送方法によって異なります。特に書留付郵便物(書留付SAL便、eパケットなど)についてはEMSに比べるとかなりややこしい手続きが必要となるそうです。
請求の流れはこちらです。
<商品破損が確認された>
発送した商品が海外のバイヤーに届いたが、その時点で破損が確認された。
↓
<Damage Reportの発行>
バイヤーは最寄りの郵便局に出向き、Damage Report(ダメージレポート)と呼ばれる破損証明書を発行してもらう(郵便局員に現物の破損を確認してもらい、そのレポートを書いてもらう)
↓
<賠償請求権利譲渡書類の発行>
上記Damage Reportを根拠に、補償請求に関する承諾書兼料金返還請求に関する委任状
“Transfer of right to indemnity for loss and refund of postage”をバイヤーに書いてもらい、それを
PDFでDamage Reportと一緒にこちらに送ってもらう
※ここがEMSの場合と大きく違うところ
↓
<日本での損害賠償請求>
日本の郵便局に上記2点の書類を添えて損害賠償を申し立てる
↓
郵便局で審査し受理されれば賠償金が自分の銀行口座に振り込まれる
これらの流れを見て、あなたはどう感じましたか?
外国のバイヤーがそこまで手間暇をかけて郵便局まで出向き、一連の手続きをして必要書類を送ってくれる人がどのくらいいるのか考えてしまいますよね?
私がバイヤーの立場だったら、時間をもっと有効に使いたいので絶対にしないと思います。また、多くのバイヤーはこのプロセスをきちんと理解していないため、いくらセラーがバイヤー側でダメージレポートを提出しなくてはならないことを伝えても、納得がいかず返品リクエストをオープンしたり、場合によってはセラーに連絡しないままケースをエスカレートする場合もあるので注意が必要です。
理解のあるバイヤーは郵便局まで行き、Damage Reportを申請し、ダメージレポートと一緒にサイン入りの権利譲渡書類を送ってくれます。
その後、セラーであるあなたが日本の郵便局に賠償を請求し、数週間後にあなたの銀行口座に振り込まれます。
損害賠償の請求には時間がかかるため、あまりオススメできませんが、理解のあるバイヤーであればこの状況を知っているはずですので一度オファーしてみるのもよいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
壊れた商品が届いてがっかりしない人はいません。そのような状況こそ真のカスタマーサービスを提供する絶好のチャンスです!
これまですぐに返金していたという方はぜひこの機会に今回ご紹介させていただいた解決方法を試してみてくださいね。